いとしまシェアハウスは、「食べ物・お金・エネルギーを自分たちでつくる」をコンセプトにした、自然とつながるシェアハウスです。棚田に囲まれた集落の中で、田んぼや畑・猟を行い、築80年の古民家を改修しながら、様々な個性を持つ男女が共に暮らしています。ここでは、体験したこと、つくり出したものをたくさんの人たちと”シェア”する暮らしの実験を行っています。


この場所が出来たきっかけは、東日本大震災です。あのとき、自分たちがいかに大きな社会システムに依存して生きてきたかを認識し、またその脆さ・危うさを実感しました。これから未来のために自分たちの暮らしの基礎をつくれるようになっていたい、そういうコミュニティをつくりたい、と決意したのがこの家の始まりでした。あの経験を経て私たちは今、食べ物・お金・エネルギーなど自分たちの暮らしに関わること・ものをイチからやってみようと日々実験しています。

食べ物

お米は100%自給。近くの畑で好きな野菜を育てたり、海で魚突きをしたり、山で猟をしたり、野草を採ったり、養蜂をしたり。海、山、川、棚田と豊かな自然の恵みを日々いただいています。

お金

生きていくためにキャッシュは必要です。我が家では、田舎暮らしが体験できるツアーやイベントの企画・マルシェの開催・企業合宿の受け入れなど、この場所にある資源や環境・人材を活用して暮らしの中から仕事をつくっています。手づくりの暮らしをする事で生活コストを下げ、ただお金を稼ぐだけの仕事を減らし、自分が本当にやりたい『仕事』に挑戦できる時間・土台づくりに取り組んでいます。

エネルギー

太陽光パネルの発電機をつくるワークショップをしたり、ロケットストーブやアースオーブンをつくったり、薪で床下を温める床暖房オンドルをつくったり。電気をつくるだけでなく、薪を使って調理・暖房することで、自然の中からエネルギーをつくり出し、使っています。

とはいえ、100%自給の生活を目的にしているわけではありません。結果ではなく、”消費するだけ”の立場から”自分たちでつくっていこう”と考えること。暮らしのことを人任せにせず、自分ごととして向き合う姿勢が大切だと感じています。暮らしをつくるプロセスを体験すると、身の回りにあるもののバックグラウンドや本当の価値を知ることができます。そこからもう一度自分の生き方を見つめ直すことも、この生活から得られる貴重な学びです。

いつかはこのシェアハウスも、同じ想いの仲間たちが増え、一緒に子育てをし、様々な世代の人たちが一緒に暮らす小さな村のようになっていったらいいなと思っています。この場が豊かなコミュニティになっていくことを想い描き、今日も”シェア”する暮らしを続けています。